今、本屋さんで売られている参考書が、意外にもかなり電子書籍化されている事実をご存知でしょうか?
この記事は、 かつて英語教室で講師をしていた私がKindle 版の英語参考書の良し悪しについて書きました。
内容は、
- 1.Kindle で勉強するメリットとデメリット
- 2.Kindle で表示されるけれど、オススメできない参考書
- 3.Kindle で学べる実績ある参考書はこれだ
の順に書いてあります。
Kindleについて詳しい方は「1.勉強するメリットとデメリット」の部分は、飛ばして読んでもかまいません。
1-1.Kindle で勉強するメリット
Kindle を使って勉強すると次のようなメリットがあります。
- 持ち運びしやすく、荷物が少なくなる
- いつでも勉強できる
- 購入が簡単で本屋で買うより安くなることが多い
ひとつずつ見ていきましょう。
持ち運びしやすく荷物が少なくなる
メリットの一つ目は、本で運ぶより荷物が少なくなることが挙げられます。
Kindle 端末やタブレット、スマホを使うと、何冊だろうと荷物の重さは変わりません。
参考書はそこそこ厚さがあるものばかりなので、いくつも鞄に入れて運ぶのは大変ですよね。
Kindle を活用すれば、デバイスひとつで済むので、大変便利です。
いつでも勉強ができる
メリットの二つ目はデバイスを持っていれば、いつでも学習できることが挙げられます。
必要なものは、デバイスのみです。
場所を選びません。
実際、街中を見ればいたるところでスマホを操作している人ばかりですよね(みな勉強や仕事をしてるとは限りませんが)。
その数、本を読んでいる人よりはるかに多いです。
いろんな場所で勉強する人にとってKindle は大きな味方になるでしょう。
購入が簡単で価格も安くなることが多い
三つめのメリットが購入しやすく、本屋で買うより安くなることが挙げられます。
Kindle 版の場合、ダウンロードすればその場で読めますし、価格も本屋で買うより安い場合が多いです。
また、Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)会員なら0円で購入できるものもあります。
ただし、毎月900円払わなければならず、トータルでお得かどうかはそれぞれ考える必要はあります。
例えば、後で紹介する『中学英語ひとつひとつわかりやすく』や『やさしくまるごと中学英語』、『世界一わかりやすい英語の授業』で見てみると、このようになります。
本のタイトル | 本屋で買った時の値段 | Kindleで買った時の値段 | KindleUnlimited会員 |
中学英語をひとつひとつわかりやすく | ¥1,100 | ¥990(中1英語) ¥1,100(中2,3英語) | ¥990(中1英語) ¥1,100(中2,3英語) |
やさしくまるごと中学英語 | ¥2,420 | ¥2,1780 | ¥2,1780 |
世界一わかりやすい英語の授業 | ¥1,650 | ¥1,485 | ¥0 |
参考書を使う場合、最も大切なのはあなたに合うものかどうかですが、その上で、Kindle 版の購入のしやすさと安さをうまく利用してほしいと思います。
1-2.Kindleで学習するデメリット
デメリットは、次の点があげられます。
- 目が疲れやすい
目が疲れやすい
タブレット、スマホなどで勉強すると、非常に目が疲れやすくなります
デジタルデバイスは発光するので、目の刺激は紙に比べて大変強くなるためです。
まして、スマホの場合は字が非常に小さいです。
実は紙の本と比較して、パソコン/タブレット/スマホは発光する上、視点が固定されやすく、子供の斜視が近年増えているのはデジタルデバイスの普及のため、と指摘している医師たちもいます。
日本弱視斜視学会と日本小児眼科学会の総会で「スマホの使用が内斜視に影響」と発表
ですから将来、目の健康が重要視される職業に就きたい人、例えばスポーツ選手やパイロット、ドライバーなどになりたい人にはあまりオススメできません。
ただし、Kindle 端末を使えば目の負担が紙と同じ程度なので、目の健康が気になる方は、そちらをお選びください。
代表的なKindle端末を4つ紹介しておきます。
以上をまとめると、
メリットは
- 持ち運びしやすい
- いつでも勉強ができる
- 購入しやすく安いことが多い
デメリットは
- Kindle端末以外は目の負担が大きい
ということになります
2.AmazonKIndleストアでは上位に表示されるが、中学生にはオススメできない参考書
Amazon Kindle ストアの上位にランクされているにもかかわらず、中学生にはオススメできない参考書があります
この2冊です
『Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル』や『中学3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』を使って勉強することを私は推奨しません。
決して、著者や本の完成度に問題があるわけではありません。
この2冊は、現役中学生というより、中学英語を学び直す社会人にとって最適な本だと思うからです。
実際、『中学3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』の表紙に「大人の学び直しにも最適」「はじめてのTOEIC L&Rテスト対策に」とも書いてあります。

決して、現役中学生のためだけに作られた本ではありません。
そして、『Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル』の Amazon のレビューを見ても、書き込んでいるのは中学生ではなく大人のレビューが多いことが分かります。
『Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル』のAmazonのレビューを見る
この2冊が上位にランクされるのは、中学英語を学び直す人たちが多く購入しているからではないかと私は推察しています。
特に『Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル』はKindle Unlimited会員なら0円で購入できるので、ランキングは非常に上がりやすい仕組みになっています。
タイトルや表紙を見れば、短期間で中学英語をマスターできるように感じさせますが、現役中学生には決して向いている内容だとは言いがたいので、英語講師をしていた私としてはこれらの本をお勧めする気にはなりません。
3.Kindle 版英語参考書オススメ3選
英語講師をしていた私の経験をもとにKindleで購入できるオススメ参考書を3つ紹介します。
『中学英語をひとつひとつわかりやすく』
中学英語の参考書として、文法や語法の説明が一番わかりやすいと感じるのが『中学英語をひとつひとつわかりやすく』です。
まず、文法や語句の解説に図が書かれているのですが、これが実に素晴らしいのです。
中学校の英語の授業でこんな板書があれば理想的、と言えるぐらいよくできています。
例えば、中学1年でつまずきやすい、三単現のsの部分を見ると、一人称・二人称・三人称とは何か、の説明から入り「この図と説明でわからない人いる?」と思ってしまうほどよくできています。
『中学英語をひとつひとつわかりやすく』には解説動画があり、YouTubeで見られるのですが、これは現在発売されている2021年販には対応していないものです(2020年以前のものに対応)。
動画による解説は、次に紹介する『やさしくまるごと中学英語』が発売中のものと対応しており、使いやすいです。
動画を重視せず、参考書自体のわかりやすさを求めるのなら『中学英語をひとつひとつわかりやすく』が一番いいです。
『中学英語をひとつひとつわかりやすく 』シリーズについては、さらにくわしく書いた記事もあります。
⇓興味のある方は、そちらもお読みください。

『やさしくまるごと中学英語』
『やさしくまるごと中学英語』の特徴としては、文法、構文などの解説が丁寧で授業動画もわかりやすいことがあげられます。
『やさしくまるごと中学英語』の各レッスンのページにはQRコードが印刷されていて、授業動画をスマホ、パソコンで見ることができます。
他にも動画つきの参考書はありますが、『やさしくまるごと中学英語』の動画授業が僕が見た限り、一番わかりやすいかったです。
みなさんも経験があるかもしれませんが、文字で書かれたマニュアルだけ読んでもわからないことでも知っている人から直接教えてもらうと簡単だった、ということはないでしょうか。
英語も同じことが言えます。
『やさしくまるごと中学英語』の授業動画はよくできていて、教え方がかなり上手です。
授業動画はYouTubeで見ることができます。
本当の授業というか、家庭教師から教えてもらっている感じですね。
あえて難点を指摘すると、紙の本を撮影し解説しているので、ちょっと見にくいところでしょうか。
『やさしくまるごと中学英語』の特徴は、文法、構文などの解説が丁寧で授業動画もわかりやすいということになります。
ただ、より文法解説のくわしさを重視したい場合は、先に紹介した『中学英語をひとつひとつわかりやすく』をオススメします。
『やさしくまるごと中学英語』については、さらにくわしく書いた記事もあります。
⇓興味のある方は、こちらもお読みください。

『世界一わかりやすい中学英語の授業』
異色の英文法書といえるのが 『世界一わかりやすい中学英語の授業』です。
この本は、とにかく面白くてためになる内容です。
英文法の副読本としては最高峰にある本だと私は思っています。
普通、他の英語の参考書や学校や塾の授業では、「英語の場合、このように使うのが決まりです」と学ぶのが当たり前ですよね。
けれど、『世界一わかりやすい中学英語の授業』は、「なぜ英語だとそうなるのか」の理由まで教えてくれるのです。
例えば、
- なぜ三単現の sが必要なのか
- なんで you は単数も複数も同じ形なのか
- 実は、aより先にanが生まれた
など、興味深い文法の話が載っています。
決して、目先の定期テストのための参考書ではありません(練習問題もありません)。
しかし、『世界一わかりやすい中学英語の授業』を読めば、今まで学んだ英語の文法の理解がぐっと深まります。
理解が深まれば記憶にも残りやすくなり、最終的には試験にも有利になります。
しかも、Kindle Unlimited会員なら0円での購入が可能です。
『中学英語をひとつひとつわかりやすく』や『やさしくまること中学英語』で文法を学んだ後は、ぜひとも副読本として『世界一わかりやすい英語の授業』を読んで、英語の理解を進めてほしいと思います。
『世界一わかりやすい英語の授業』につてもくわしく書いた記事があります。
⇓興味のある方は、お読みください。

まとめ
この記事は、現役中学生のためのKindle版英語参考書について書きました。
Kindleで勉強するメリットとデメリット、
メリットは
- 持ち運びしやすい
- いつでも勉強ができる
- 購入しやすく安いことが多い
デメリットは
- 目の負担が大きい
ということになります。
Amazonキンドルストアで上位表示されても
- 『 Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル 』と
- 『 中学3年間の英語が1冊でしっかりわかる本 』
は現役中学生には、あまりオススメできません。
オススメできるのは、
- 『中学英語をひとつひとつわかりやすく』
- 『やさしくまるごと中学英語』
- 『世界一わかりやすい英語の授業』
の3冊です。


